登場人物:おれ(後輩くん) 形式:一人語り/朗読用台本 -------------------------------------------------------------- 休日の午後、先輩とおれは 机の上に広げたパズルに向かっている。 光を透かした指先が おれの手の上をかすめるたび、 胸の奥で何かが小さく揺れる。 ただの遊びのはずなのに、 その沈黙の中には 言葉にならないものが たくさん詰まっていた。 ピースをひとつ置くたびに、 世界が少しずつ形を取り戻していく。 完成に近づくほど、 静けさが増していく。 終わりが来る気配が、 やさしく、それでも確かに迫ってくる。 わざと違うピースをはめながら 首をかしげてみせる先輩。 おれは思わず笑顔をこぼす。 きっと、 どんなパズルにも答えはある。 だけど 先輩と過ごすこの時間だけは、 どうか、まだ解けないようにと 願い続ける。 ----------------------------------------------------------------- ※参考:先輩目線「エニグマ・ゲーム」 https://coemee.com/topics/y245R5lDern9Lgz5aiuqo ----------------------------------------------------------------
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