蜂乃巣ゆん蜂乃巣ゆん2026-05-17 02:35

天才の、憂鬱。

『天才の名を欲しいままにしている訳ですが、次は何を目指されるんでしょうか?』 インタビュアーが、慣れた笑顔でそう尋ねた。 天才。 その言葉を聞くたびに、胸の奥が少しだけ軋む。 眠れない夜も、 上手くいかずに台本を投げた日も、 喉が潰れるほど声を出した時間も。 きっと誰にも見えていない。 「ありがとうございます。天才とは、褒めすぎですよ」 いつもの笑顔を貼り付けながら答える。 「……そうですね。次は舞台への挑戦を考えています」 拍手の向こう側で、 積み重ねてきたものだけが 静かに置き去りにされていく気がした。 努力は、結果になるまで なぜこんなにも透明なのだろう。 別に、称賛が欲しい訳じゃない。 ただ。 才能の一言で片付けられるたびに、 積み重ねてきた誰かの夜まで 無かったことにされる気がする。 それが、少しだけ悲しい。 僕はただ、 観てくれた誰かの心が動けばいい。 そのために今日も、 見えない場所で声を枯らしている。

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#朗読#朗読#ゆんの台本

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