小説『影のあしあと』(https://ncode.syosetu.com/n7079mf/)より。 母親から瑠璃《るり》という大人になった我が子への手紙の内容です。 女性演者向けですが、男性も一人称や二人称を変えて演じてもらっても、OKです。 アレンジ、アドリブ、OK。 ―――本文――― 親愛なる我が子たちへ。この手紙を読んでいるということは、私たちはこの世にはいないのでしょう。 このアルバムは四歳を前に病気で亡くなった春海《はるみ》の楽しかった頃のものです。 瑠璃《るり》、これは春海《はるみ》という姉だった家族の、あなたに残したい写真たちです。 重い病気で五歳まで生きればいいと言われた子です。たくさんの愛情を私たちなりに注いできたつもりです。 姉は四歳になる頃、病状が悪くなり入院し、そこで亡くなりました。 享年四歳。彼女は苦しみながらも、私たちにはそんな素振りを見せず、この世を去ったのです。 私たちは泣いて泣いて、もうこの子以外に我が子はいらないとさえ思ったのです。 しかしある晩、私たちの枕元に春海《はるみ》が立って「私を忘れてほしい。過去にとらわれず、生きて」と言われたのです。 まもなく瑠璃《るり》、あなたが生まれました。春海《はるみ》に似ていて、私たちは彼女の生まれ変わりなのだと確信したのです。 そして私たちはあなたに丈夫に育ってほしいと願い、宝石の名前をつけたのです。 小さい頃は画数が多くて嫌いなんて言っていたね。でも私たちは元気な姿を見ているだけで、救われる思いでした。 私たちはもういないけど、きっと春海があなたのそばで見守ってくれています。 それはどんな形でも、あなたの味方になってくれるはずです。 追伸。ずっと言えなくてごめんなさい。 ―――終―――
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