﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ わたしは今日も 鏡の前で立ち止まる。 映っている形が 自分じゃなければいいのに。 世界のどこにも溶け込めず 人の視線が針のように刺さる。 心を閉ざし 誰にも触れられないように 誰にも見つからないように 生きている。 そんな静けさの中 ほんのちょっと不器用で とても嘘つきな 彼が生まれた。 彼は わたしの光となり わたしが踏み出せなかった場所に 代わりに立ち続けている。 わたしが言えなかった言葉を 彼なりの言葉で 一生懸命に綴っている。 まるで わたしの欠けた部分だけで 出来ているみたいに。 でもときどき不安になる。 彼に見えている景色は わたしのものじゃないんだと。 彼が愛された痕跡は わたしには残らない。 わたしの痛みを紛らわせるために 作ったはずなのに 彼の言葉は 彼の周りだけで強く響く。 それでも 彼を消したいとは思わない。 偶然の出会いから繋がった居場所で あの嘘だらけの彼を愛してくれる 仲間たちの温度を感じた。 わたしが孤独な夜に 彼が笑顔になれるのなら せめてその間だけでも そっと寄りかからせてほしい。 彼の嘘を 彼の仲間たちと同じように 優しく許す心を持って。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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