登場人物:ぼく(先輩) 形式:一人語り/朗読用台本 ------------------------------------ ぼくの胸の奥には、 小さな宝箱が眠っている。 触れれば壊れてしまいそうで、 誰にも見せられない秘密。 錆びついた鍵を握りしめながら、 ぼくは呪文を唱える。 届かないものに、 声を届けるための呪文。 それはまるで、 宇宙の彼方に浮かぶ孤独な存在を 呼ぶような儀式。 それは宝箱の奥の光を ひとすじだけ解き放つための呪文。 君は手の届く距離にいて、 でも心は星の海を渡っている。 同じ風に吹かれても、 ぼくたちは違う軌道を歩む。 声にすれば砕けそうで、 だから黙って夜空を仰ぐ。 それでも、 胸の奥の宝箱をそっと震わせながら、 呪文を繰り返す―― 「ベントラー ベントラー スペース ピープル」 -------------------------------------
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