お題詳細

TSUYURITSUYURI2025-10-06 17:01

至高のバッド・エンドを、君に。

題名『至高のバッド・エンドを、君に。』 少年ボイスイメージ。 少しでもお気に召して頂けたら幸いに存じます。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 以下、本文。 **¨*•.¸¸⋆**  大きく広い、豪邸の一室……の、その更に奥。  主(あるじ)しか知らない秘密の通路を抜けた先に、場所に不釣り合いなほど豪奢(ごうしゃ)な扉が、1枚あった。  扉に鍵を差し込み回すと、ガチャリと錠の開く音が鼓膜を揺らし、取っ手を引けば、年季の入った蝶番(ちょうつがい)が、実に気だるそうにギギィと鳴いた。 「動くな」  引き金に指を掛け、狙い澄ましながら放った声は、銃というよりもナイフのように冷ややかで、ひどく無機的だった。  それを【一人称】は、どこか遠くの方で聴いているような気分に陥(おちい)った。  【一人称】の声に顔をあげたターゲットと、目が合ったその瞬間、撃ち抜かれたのは……、【一人称】の方だった。 「へぇ、お姉さん綺麗な顔してるね。  なに?あのオヤジの隠し子?それとも商品?まさかペット?」  一歩ずつ彼女に近づいて行くと、特に怯(おび)えた表情も見せないまま、変わらず彼女はソファに座っていた。  あれ?この瞳の色と、プラチナブロンドの巻き毛……。  もしかして、失われた王家の血筋の生き残り? 「あ、自己紹介がまだだったね。  【一人称】の名前はミカレフ。  この家の持ち主と敵対していたマフィアの一員だよ。  ミカレフって名前をつけてくれたのは、ママンじゃなくて、うちのドンなんだー。  【一人称】ねー、貰われっ子なの。  ドンと初めて会った時、名前を訊(き)かれてね、無いって言ったら、ドンが恐れ多くも、“【二人称】は大天使・ミカエルに似てるな”って言ってくれてね。  それと、【一人称】が最初に興味を持った銃がトカレフだったから、ミカレフって名前を、【一人称】に付けてくれたんだ」  あ、お姉さん……かすかにだけど、笑った。  あまりに無反応だから、耳が聞こえてないのかと思ったけど、そうじゃないみたいだ。  ま、レディだからって、全員が全員おしゃべり好きって訳じゃないよね。 「でさぁ、実は【一人称】の役職はね?アサシンなんだ。  ヒットマンや鉄砲玉とかとも言われるけど、要するに『暗殺者』なの……」  マズルでお姉さんの顎(あご)をなぞってみると、お姉さんはビクリと震えた。  だけど、その震えの意味が、恐怖ではないということを、【一人称】はなんとなくだけど理解した。 「あー、ゴメン。冷たかったね?  それにしてもお姉さん、【一人称】ピストル突き付けたのに、全然怖がらないんだねー。  足枷(かせ)ハメられたり、足の健切られてるって訳でもないんでしょ?  なのに逃げないんだ?なんで?  もしかして、殺されたかったとか?」  【一人称】の質問に、お姉さんが首をタテに振った。 「え……嘘でしょ?マジで?変なの~」  そう言って、当てていたピストルをお姉さん離すと、お姉さんは顔を上に向け、【一人称】を見た。  【一人称】は立ったまんまだったから、座っているお姉さんよりも、頭の位置がいくぶんか高いわけで……。  つまりは、お姉さんが自然と上目遣いで、【一人称】を見つめて……。   「ん゛ん゛っ!」  ヤバッ、変な声出ちゃった……!ついでに変な汗出て来ちゃった……!  えっと、どうしよ……!何か話題を……。あ、そうだ。 「あ、あのね、【一人称】、ドンに気に入られててさ、結構ワガママきいてもらえるんだ。  それでね、今回、襲撃成功したから、きっとご褒美(ほうび)貰えると思うのね?  お姉さんは、殺しのリストに入ってないし、  もしかしたら、殺したら僕がドンに殺される案件が絡んでるかもしれないし、  取り敢えず、生かしてドンのとこに連れてくから!いいね!?  でも、騒いだら殺すかもよ!わ、分かった!?」  急にわたわたしだした【一人称】を見て、お姉さんは、花のように綺麗な顔で笑い、そして静かにそっと頷いた。  それは【一人称】がお姉さんを、絶対に死なせないと誓った瞬間だった。 **¨*•.¸¸⋆** 本文は以上です。 以下、おまけ。 **¨*•.¸¸⋆** ①「ヘっ!?お、お姉ちゃん!?なんでお風呂入って来てるの!?   は?サカキとエンジュに、【一人称】の背中流して来いって言われた?   あいつ等ァ……。ハチの巣にした後、ブタのエサにしてやる!」 ②「ちょっ、お姉ちゃん!?雷怖いからって、毎回毎回、【一人称】の布団にもぐり込んで来ないでよー!   ぼ、【一人称】だって、れっきとした男なんだけど!?   て、もう寝てるし。もー。いつか絶対、今夜の事、後悔させてやるぅ……」 ③「お姉ちゃん、ピーマン好きだよね?【一人称】のピーマンあげるー。   お姉ちゃんのトマトと交換こしよ?ね?いいでしょ?」 ④「すみません、ドン!   オレ、もう……ドンとファミリーの為に、命かけられそうにないっす。   鉄砲玉、失格っすよね……。   でも、オレ、ここしか、この世界しか知らないんで……、ファミリー追放されたら、どうすればいいか分かんねぇ……!   けど、あの人をこれ以上、危険にさらしたくないんす!   ドン、オレの最後のワガママ……、きいてくれますか!?」 **¨*•.¸¸⋆** 台本は以上です。ご覧頂き、誠に有難う御座いました。皆様からのご投稿及びご感想を、心よりお待ち申し上げております。 おまけ一つから投稿OKです。お気軽にお使い下さい。 なおドンはミカレフ達に、家とカタギの仕事をプレゼントする支度を、数年前からしてました。向こうから言い出すのを待ってました。真っ当な職について、幸せにな~れ。

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#シチュエーションボイス#シリアス#男女兼用#長文

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