古道具屋の錆びついた重い扉を開けると、古物特有のほこりの臭いが鼻をついた。 薄暗がりに目が慣れると、国も年代も異なるさまざまな品が所狭しと並べられているのがわかった。割れた陶器。錆びた時計。誰のものとも知れない古い写真。店は外の世界から切り離され、時は完全に止まっている。 店の奥に進むと、やがて行き止まりのように見える場所に、小さなカウンターがぽつりと現れた。 そこに、店の主人は座っていた。 それは老婆のように見えた。深く刻まれた皺がある気がした。しかし次の瞬間、年端もいかぬ生娘のようにも見えた。透きとおる肌と深く黒い瞳。 ランプの小さな灯りに照らされ、その顔はわずかに揺らぐ。見る者の後ろめたい記憶にあわせて姿を変えるかのように。 女は静かにこちらを見て、かすかに笑う。 「何をお探しですか」 その声は、遠い昔に聞いた誰かの声に似ていた。
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