妖・うさぎのキセル屋の話

とある山の麓の村にはちょいと変わった行商人が来るらしい。なんでも、その行商人。人ではなく、妖の類であるとかなんとか…。 麓の村からほど近い町ではそんな噂話が囁かれていた。 一人二役です。掛け合いも面白いかも。 以前他アプリで出したセリフです。 アレンジでセリフを付け足してもOK 世界観壊れない程度のアドリブOK 以下本文です ✂︎-----------------------ₖᵢᵣᵢₜₒᵣᵢₛₑₙ-----------------------✂︎ 「おい、あの話を知ってるかい？」 「あの話ってのはどの話だ？」 「麓の村に現れるっていう、うさぎのキセル屋さ」 「なんだそいつぁ？うさぎがキセルを売ってるのか？」 「その通り。妖のうさぎらしいが、麓の連中にキセルを売っているんだそうだ。しかもそのキセル、中々の代物で使い勝手もいいと評判なのさ」 「ほぉ、そんなにいいキセルなら俺も持ってみてぇな。ちょっくら麓の村まで行ってみるか」 「しかし気をつけろよ？財布から金を出してる間に後ろからばくり！とやられたんじゃシャレにならねぇ」 「大丈夫だろ。相手は妖とはいえうさぎだ。肉食いのうさぎなんざ聞いた事ねぇ」 「…ふぅむ、確かにそうだな。そのうさぎがどんなキセルを売ってるのかも気になるし、俺も麓の村に行ってみるか」 「結局おめぇも来るのか」 「なんだよ、悪いか？」 「悪かねぇけど、行くんなら最初から行くって言いやがれってんだ」 「いいじゃねぇか。旅は道連れっていうだろう？俺も新しいキセルが欲しくなったんだよ」 「そういうことにしといてやるよ。それじゃ、旅支度を始めるか。道中人喰い妖が出てもいいように対策しないとな」