coemee

お題詳細

陸奥陸奥2025-09-06 10:04

アネル

・いつもご利用いただきありがとうございます。 3度の飯より飯が好き、陸奥です。お題第4作目です。 今回はナレーション風で。もちろん、設定や登場する単語等は架空のものです(笑) 前作の『手記』が、わりと気に入っていただけているようで、ほくほくしております。ほくむつです。 なので、ちょっと深掘りしたものば。 ところで………冒頭の元ネタがわかる方は、きっと同世代だと思います(笑) 男女問わず、ぜひ、皆様の命をふきこんでみてください。以下、本文です。 ------------------ その大地は、永久(とこしえ)の極寒に覆われた地であった。命と呼べる存在はなく、いつ終わるとも知れぬ大吹雪に支配されていた。 ある時、一筋の輝く光が天を走った。 極寒の大地に墜ちたそれは、燃え盛る炎を噴き上げ、幾日、幾月、幾年と燃え続けた。 煌々とした緋(あか)にあたためられた極寒の大地は、やがて灼熱の砂漠へと生まれ変わった。燃え続けていた炎は、その役割を終えたかのように静かに息絶え、そこには掌ほどの黒い塊が鎮座していた。 ひび割れていたその塊から、少しずつ、少しずつ聖水が染み出していき、いつしかそこを中心とした、広大なオアシスが誕生した。 翠(みどり)と碧(あお)に抱かれたオアシスには、命がだんだんと運び込まれていき、そこから様々な種が交流を始めた。大樹、妖精、羽虫、翼竜、野獣。それぞれがそれぞれの進化を辿る中で、同じ命として想いを交わすようになっていった。 オアシスの中心に在った塊は、ついには完全に二つに割れ、中から一人の赤子が生まれた。 その赤子は、オアシスの命達によって育まれ、後に『アネル』の名を授かったという。 星団の一つでも呼ばれているアネルは、このナガン砂漠全土から目にすることができる。 しかしオアシスの中心から見ると、やや違う姿で映っているという。 星々との間隔がより短い姿で描かれ、さらには、新しい光が四方八方に溢れているように見えるというのだ。 『繋がり』---彼等の関係性を正しく表しているとすれば、なるほど、種をこえた生命の証ともとれるのは、こちらの姿なのかもしれない。 -終-

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#朗読#女性#男性

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