きっとこの気持ちを、そう呼ぶのだ

※※二人称などその他色々、改変ご自由にどうぞ。自作発言は御遠慮ください※※ ちょっと遠回りをしてみよう。 そう思ってハンドルをいつもと逆に回せば、よく知ってるのに、知らない世界が広まってる。 あそこには喫茶店が。 あそこには小さな公園が。 あそこにはアンティークな雑貨屋さんが。 一人で回っても新鮮で、少しだけワクワクする。 そうしてうろうろしていると、名前も知らぬ街路樹が花を咲かせていた。 小さな薄紅色の花。 それを少しでも鮮やかに見せようと精一杯集めた、一本の木。 綺麗、と思うと同時に、考えたことがもう一つ。 あぁ、あの人にみせてあげたい。 だって、こんなにも素敵なのだから。 近くで貴女が好きそうなお店を探す。 だって、ただの街路樹を見せたいだなんて、ちょっと照れくさいから。 だから、貴女が好きそうなお店を。 そのついでに、この小さな感動を、貴女にも感じてほしい。 きっと、この気持ちを皆はそう呼ぶのだろう。 照れくさくてはっきりとは言えない、こんな心を。