目潰し目潰し2026-05-08 11:00

声劇台本「手紙の話」#2

モノ←亜人の少年 エル←上品な女性 ノエ←郵便配達員 商人 男 セリフの言い回し変更など自由にどうぞ…… ーーーーーー 商人「……という訳なんだ……!どうしても……この契約書を届けなくては……我が商会が潰れてしまう……! だから……お願いだ……!どうか……どうにか……この契約書を……!送り届けてはくれないか……!?」 ノエ「なるほど……事情は良く分かったよ 良いよ、任せて」 商人「っ……!恩に着る……!このお礼は必ず……!必ずする……!」 男「……あと数日で結婚記念日だってのに……!〝危険地帯認定〟で帰れやしないんだ……! だから……女房に……帰れないけど愛してるって……手紙を出そうとしたら……その手紙すら郵送不可能ってんだ……! だからよぉ……お願いだ……!後生(ごしょう)だから……どうか……!どうか……この手紙を俺の女房に……!」 ノエ「夫婦の危機ってヤツだね……大変だ 僕がなんとか届けてあげるよ」 男「すまねぇ……!すまねぇ……ありがとう……ありがとう……う゛ぅ゛……」 ノエ「ははは……泣かないでよ、ほらっ また次にちゃんと会えた時の為に……プレゼントの用意とか今のうちから計画しなよ?」 男「っ……そ、そうだな……!じゃあ……頼んだぜ……!」 モノ「……なんか……すっごい……人間模様だったね」 エル「ええ……手紙のやり取りが困難となると……色々な事があるんですね」 ノエ「そうだね、普段こう言う手紙って 出せば当たり前の様に相手に届き、また自分の元に届くって…… 〝当たり前〟なことなんだけど、それが何かの都合で無理となった途端に……〝無理な物は仕方がない〟って割り切る人も居れば 今後の自分の人生を左右するような局面に立たされ必死になる人も居る……」 エル「……なるほど ……そう思うと……ノエさん達の協会と言うものが存在する意味がよく分かって来ました」 モノ「確かに……手紙のやり取りひとつで 人の人生どころか、時としては〝命〟にも関わる話にもなったりする……だろうしね、さっき見てきた依頼して来た人達の熱量を見てたら」 ノエ「そういう時も、少なからずあるにはある…… 戦場に配達に行った時もあったよ、国に残った女性が戦場に行った恋人どうしても手紙を出したいって…… それを請け負って僕は戦場に行った、そして……なんとその恋人はまだ生きていた 彼に手紙を渡すと、彼は泣きながら喜んでいた、昨日死んだかも知れない、今日死んだかもしれない、明日死ぬかもしれない……そんな絶望の中での愛した女性からの手紙が、生きる勇気を与えた そして、次にその彼が国に残った女性に手紙を渡して欲しいって僕に託してきた……短い文章で〝愛してる〟と そして僕はまた、国に戻りその女性に彼から預かった手紙を渡した……彼女も泣きながら喜んでいた……」 エル「……正しく、命を繋ぐ手紙のやり取りの現場……ですね……」 ノエ「……それからひと月が経った頃、またその女性から手紙を預かった、戦場に居る恋人に手紙をと…… 僕はまた……戦場に向かった、すると……ね」 モノ「……すると……どうしたんですか?」 ノエ「……野営テントの中 ……彼は居た 〝遺体袋〟がおびただしい数並ぶ中……彼の名前が書かれた〝袋〟があった」 エル「っ(息を飲む)」 ノエ「……彼女からの手紙を、僕は彼の名前が書かれた袋の上に、手紙を広げて置いてあげようとした 手紙には、こう書かれていた ……〝愛してる、天国で待ってます〟……て」 モノ「……それって」 ノエ「……僕はまたその彼女が待ってる国に戻った…… すると彼女も……自らこの世を去っていた……」 エル「……なんと……痛ましい……」 ノエ「……手紙と言うのはね 人が思うより、本当に、〝重たくて〟 そして〝思い〟も強く……強く宿るものなんだと……僕は思ってる だからね、だからこそ……途切れてしまいそうな状況があるなら……僕達……協会が〝繋ぐ〟……」 モノ「……必ず」 ノエ「……ん?」 モノ「……必ず、届けましょう 今日預かった手紙、全て ……僕達も協力します」 ノエ「……そうだね ……じゃあ……出発しよう」 続く

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#声劇

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