せっかく遊園地に来たのに、 昼過ぎには解散らしい。 え、もう? まだ全然遊んでないのに。 ジェットコースターも乗りたいし、 ショーパレードだって見たい。 帰るのもなぁ……。 そう思って、 「もう少し残ろうかな」なんて考えていた時だった。 一緒に遊んでいたうちの一人が、 どうやら体調を崩したらしい。 みんな予定があるから、と 少し困った空気になる。 ……まぁ、仕方ないか。 特に予定もないし。 さすがに女の子一人を置いて帰るのも、なんだか気が引けた。 近くのベンチで、 飲み物を買ってきたり、 人が少ない場所を探したり。 本当は、 ジェットコースター乗りたかったなぁ、とか。 ショーパレード、見たかったなぁ、とか。 そんなことを考えながら、 ぼんやり時間を潰していた。 すると。 「あ、もう大丈夫かも!」 さっきまで青かった顔が、 少しだけ元気そうになっていた。 「ほんと?帰れる?」 そう聞いたら、 「……えっと」 少しだけ視線を逸らして、 「もしよかったら……一緒に回りたい」 と言われた。 まぁ、元気になったならよかった。 一人で帰らせるのも心配だし。 仕方なく、 もう一度園内に戻った。 人混みの中。 「あっ……」 気づけば、 服の裾をちょこんと掴まれていた。 「はぐれそうだから」 そう言われて、 まぁ、確かに人多いしな。と納得する。 ……でも、ちょっと歩きづらい。 そんなことを思いながら、 結局、 ジェットコースターにも乗ったし、 ショーパレードも見た。 気づけば、 帰る頃にはすっかり日も沈んでいて。 「今日はありがと」 そう言って笑った顔が、 朝よりずっと近く感じた。 ……まぁ。 たまには、 こういう遊園地も悪くない。 後日。 「え、あれってほぼデートじゃん」 と言われるまでは、 僕は、 何ひとつ気づいていなかった。
最初の回答者になってみませんか?