題名『鵺』 伝説上は、源頼政が紫宸殿上で射取ったことにされているけれども、実は……という妄想の産物です。 鵺の正体は、“大型のレッサーパンダだったかもしれない”とか、いわれてますね。 少しでもお気に召して頂けたなら、幸いに存じます。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 以下、本文。 ―― “頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎に、声はトラツグミに似る。” それが、ヒトの世に伝わる【一人称】の風体(ふうてい)と声色(こわいろ)である。 ……いいや?別に腹は立てておらんさ。 そもヒトは、見たいモノしか見んし、噛み砕いて丁寧に説明したとしても、己の解釈したい様にする生き物であるからな。 【一人称】は元来(がんらい)、ヒトの想像を具現化(ぐげんか)して容(カタチ)を成(な)していたモノである。 出会った者によって形容(けいよう)が異なるが故(ゆえ)に、斯様(かよう)なキメラの如き風貌(ふうぼう)に定着してしまった。 【一人称】の妖怪(あやかし)としての性質(たち)が、時を超えて徒(あだ)しているという訳だ。 だが、どうでも良い輩(やから)に、如何様(いかよう)に表現されようと構わん。 構わんというより、「知った事か!」という言葉が、最も適当だな。 つまり【一人称】としては、御主(おぬし)が腹を立てる様な話では無いのだよ。 【一人称】の真(しん/まこと)の姿と声は、御主が知っておれば、それで良いのさ。 のぉ……、源家(げんけ)の現当主殿? 《優美に笑う》 ―― 以下、本文。
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