あの夏のことを今でもはっきり覚えてる。 涼しげな風が林を通り抜け、 葉がささやくように揺れていた。 誰もいないと思っていたあの道の先に 君は立っていた。 白いワンピースに草の匂いが混ざった風。 まるで妖精のようだった。 「こんにちは」 君は微笑んでそう言った。 その瞬間世界の音が止まった気がしたんだ。 君は色んな話をしてくれた。 葉っぱの裏に宿る露のこと、 夜になると目を覚ます小さな虫たちのこと。 それはまるで森の言葉を訳すようだった。 ゆっくりと流れる時間の終わりに君は 「そろそろ帰らなきゃ」と。 「また会える?」って聞いたら、 「いつかの夏、また風が君を連れてきたら」 そう言った。 あれから何年も経ったけれど、 毎年同じ林に足を運んでしまう。 あれが夢だったのかは今もわからない。 でも不思議と私の心で生きているこれが 「夏の思い出」 さぁもう帰ろう‥あっ あの涼しげな風がまたやって来た‥ 「こんにちわ!」
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