蜂乃巣ゆん蜂乃巣ゆん2026-06-24 15:19

黒猫の、思い

帰り道。 何気なく立ち寄った雑貨屋で、 小さな黒猫のキーホルダーが目に入った。 あの子にあげたら、 喜んでくれるだろうか。 そう思ったら、 買うまでは早かった。 レジ袋を片手に歩きながら、 渡す時のことを考える。 どんな顔をするだろう。 喜んでくれるだろうか。 迷惑じゃないだろうか。 期待と不安が、 代わる代わる顔を出す。 そんな時だった。 そういえばあの子、 星が好きだったな。 ふと、 そんなことを思い出した。 だったら、 もっとそれらしい物があったんじゃないだろうか。 星のチャームとか。 月のアクセサリーとか。 今さらになって、 少しだけ後悔する。 手の中の黒猫を見る。 真っ黒で。 猫なのか何なのかもよく分からなくて。 正直、 ぱっとしない。 それでも。 この子を見つけた時、 真っ先に浮かんだのは あの子の顔だった。 だからきっと、 理由なんてそれで十分なんだと思う。 好きなものだからじゃなくて。 似合うと思ったからでもなくて。 ただ、 渡したいと思ったから。 それだけの思いを抱えながら、 黒猫をそっとカバンへしまう。 その頃、 この子に名前が付くなんて。 もちろん、 知るはずもなかった。

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#朗読#ゆんの台本

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