**************************************** 頬をすり抜けていく色なき風。 その冷たさに秋の気配を知る。 秋の風は、 何も色を持たないはずなのに、 なぜか胸の奥をほんのりと 染めてくれる。 足元には、 ひらりと揺れる落ち葉の琥珀。 夕陽に照らされ輝くその色は、 夏の名残りと冬の気配が 混ざり合う時を彩る。 風は透明のまま季節を運び、 葉は琥珀のまま地面へ帰る。 その景色を見つめながら思う。 移ろいの中でこそ、 世界はもっとも美しく輝くのだと。 *****************************************
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