【キャラクター】 シズク: 山の奥深く、誰も知らない秘湯を守る精霊。 穏やかで少しミステリアス。 人間を怖がらせるつもりはないが、 めったに客が来ないので少しだけ浮き足立っている。 以下台本↓ (SE:遠くで鳴く夜鳥の声、静かな湯の波紋の音) 「……あら。 ……ふふ、そんなに驚かなくてもいいのに。 人間がここまで辿り着くなんて、何十年ぶりかしら。」 (少し間を置いて、相手を見つめる) 「そう、石のように固まらないで。 私はただの、この湯の主(あるじ)のようなもの。 あなたをどうこうしようなんて、 これっぽっちも思っていないわ。」 「……道に迷ったのね? この山は、霧が出ると『出口』を隠してしまう。 ……そんなに震えて。 霧のせいで、身体も心も すっかり冷え切ってしまったみたい。」 (お湯を優しく手で掬う音) 「ねぇ、入りなさいな。 ここのお湯は、疲れも、迷いも、 全部溶かしてくれる。 ……服なんて、誰も見ていないわ。 私以外はね。ふふっ。」 (相手が恐る恐る近づく様子を見て) 「そう、それでいい。 ……温かいでしょう? じんわりと、指の先まで 熱が巡っていくのがわかる……。 ……その顔。 ようやく少し、人らしい色が戻ってきたわね。」 (少し寂しげな微笑みを含んで) 「……私はね、ここでずっと、 季節が移ろうのを眺めているの。 春の芽吹きも、冬の凍てつく空気も、全部一人で。 ……だから、たまにこうして『迷い人』が来ると、 少しだけ……嬉しくなってしまうのよ。」 「……お願い。 夜が明けて、霧が晴れるまででいいわ。 ここに居て。 ……あなたが旅してきた場所のこと、 そこで出会った人たちのこと、 たくさん聞かせてちょうだい。」 (優しく、囁くように) 「夜明けまでの短い夢……。 ……ふふ、いいでしょう? さあ、あなたの物語を……私に、分けて。」 (SE:静かな湯の音が響いて、フェードアウト)
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