黒須木ヤト黒須木ヤト2026-06-08 07:36

【朗読】雨の知らせ

《作者より》 Xで行われたタグ企画『雨音に恋をする』 参加作品です。 《ルール》 思い思いの解釈で、自由にお楽しみください。 一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 黒須木ヤトのXでは他にも多数の無料作品を公開・発信しています。 宜しければお気軽にフォローのほど宜しくお願いします。 ***《ここから台本》*** コンコンと、そっと窓を叩く音。 それはあなたが訪れる優しい合図だ。 私は立ち上がって、お気に入りの紅茶を淹れる。 棚の奥にしまっていたクッキーも取り出して。 準備ができたら、窓辺の椅子に腰を下ろす。 「いらっしゃい」 心で小さく、そう呟いた。 しばらくすると、ぽつりぽつりと雨が降り始める。 低く響く雨音は、かつてのあの人の声に似ている。 だからだろうか。 雨の日になると、空から手紙が届いたような気がするのだ。 「また無理してるんじゃないか」 「ちゃんと休みなさい」 聞こえてくるのは、そんなお節介ばかり。 実にあなたらしくて、思わず笑ってしまって。 あぁ、また騙されたと思うのだ。 それでも私は今日も、こうして窓辺に座る。 紅茶を片手に、雨音に耳を傾けて。 だって、この人は何も言わないくせに いつだって、一番逢いたい声で訪ねてくるのだから。 ***《ここまで台本》***

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