蜂乃巣ゆん蜂乃巣ゆん2026-06-11 15:01

あなたは、気づかない。

今日は、友達と。 そして、あの人と。 遊園地で遊ぶ日。 何着ていこうかな。 どんな服が好きなんだろう。 鏡の前で悩む時間すら、 少し楽しかった。 期待ばかりが、膨らんでいく。 当日。 みんなで笑って、歩いて。 アトラクションに乗って。 幸せだった。 ……昼頃までは。 「そろそろ帰る?」 誰かのその一言で、 楽しい時間は急に終わりを迎える。 仕方ないか。 そう思った、のに。 「俺、もう少し遊んでく」 あなたは、そう言った。 胸が、少しだけ跳ねた。 どうにか。 どうにか、一緒にいられないかなって。 だから私は。 少しだけ、悪いことをした。 「……ちょっと気分悪いかも」 心配してくれるあなた。 でも。 その目は、何度も遊園地へ向いていた。 あぁ。 本当は、遊びたいんだ。 ごめんね。 そう思ったから。 「やっぱり大丈夫!」 笑って言ってみた。 するとあなたは、 ぱっと目を輝かせて。 「ほんと? じゃあ行こう!」 って、先を歩き始める。 はぐれちゃうから。 そんな言い訳をしながら。 私は、そっと。 あなたの袖を掴んだ。 たぶん。 これが、今の私の精一杯。 どうか。 この想いが、届きますように。

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