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お題詳細

幻太郎@Phantom🖊幻太郎@Phantom🖊2025-09-07 07:56

朗読台本「幻日」

登場人物:ぼく(先輩) 形式:一人語り/朗読用台本 ------------------------------------- 夕暮れの空に 太陽のそばで淡い光の輪が浮かんでいた。 ひとつの確かな輝きと それを守るように淡く揺れる幻影。 まるで太陽が ひそかに分身をつくったみたいで そのどちらも たしかに空を照らしていた。 その揺らめく光は 触れられないものの存在を そっと教えてくれるようだった。 彼に惹かれたことは 逃れられないカルマだったのかもしれない。 けれど、もしそれが因果の果てだとしても 彼と過ごした時間は ぼくにとって救いそのものだった。 隣に並ぶだけで 世界はまどろみのようにやわらいで 罪も痛みも遠くに溶けていく。 やがて幻の光は夜にほどけ ひとつの輝きだけが静かに残った。 たとえ、それが幻だったとしても 彼と見たその瞬きは いまも胸の奥で息づいて ぼくの現実を照らし続けている。 ---------------------------------------

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#朗読

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