ASMRの作り方入門|スマホだけで始める録音・編集ガイド
ASMRとは?まずは基本を知ろう
YouTubeで「ASMR」と検索すると、再生回数が数千万回を超える動画がずらりと並びます。2024年時点で月間検索数は全世界で1億回以上ともいわれ、「聴いていて気持ちいい音」を楽しむカルチャーはもはやニッチなものではなくなりました。
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)は、特定の音や視覚的な刺激によって感じる心地よいゾクゾクとした感覚のこと。囁き声、タッピング音、紙をめくる音、耳かき音など、日常のさまざまな音がコンテンツになっています。
そして意外なことに、スマホ1台あればASMR制作は今日から始められます。ここからは、完全初心者の方に向けてその具体的な方法を紹介していきます。
スマホだけでASMRを始める方法
必要なものはスマホだけ
ASMRを始めるのに、高価な機材は必要ありません。最初はスマートフォンの内蔵マイクだけで十分です。
最低限必要なものは以下の通りです。
- スマートフォン
- iPhone・Androidどちらでも問題ありません。録音アプリが使えれば大丈夫です。
- 録音アプリ
- iPhoneなら「ボイスメモ」、Androidなら「レコーダー」アプリが標準搭載されています。より高品質な録音をしたい場合は、「GarageBand」や「Easy Voice Recorder」などの無料アプリもおすすめです。
- 静かな場所
- ASMRでは小さな音を拾うため、周囲が静かであることが重要です。
慣れてきたら、外付けマイクの導入を検討しましょう。スマホに接続できるコンデンサーマイクは3,000円程度から購入可能です。宅録機材の記事で、おすすめの機材も紹介しています。
おすすめの録音アプリ
スマホでASMRを録音する際におすすめのアプリを紹介します:
- GarageBand(iOS)
- Apple純正の無料アプリ。高品質な録音と簡単な編集が可能です。
- Easy Voice Recorder(Android)
- シンプルで使いやすい録音アプリ。WAV形式での保存にも対応しています。
- Audacity(PC連携)
- スマホで録音したデータをPCに転送して、より本格的な編集を行いたい場合に便利です。

録音環境の作り方
録音環境はASMRの品質を大きく左右します。プロのような防音室がなくても、身の回りのもので工夫すれば十分な品質で録れます。
静かな場所を確保する
ASMRは繊細な音を扱うため、周囲の騒音が大敵です。
深夜や早朝は交通量が減り、周囲の生活音も静かになるので録音に向いています。エアコンや換気扇は録音中だけオフにしてください。地味にこの低周波ノイズが一番やっかいだったりします。窓を閉めて厚手のカーテンを引くだけでも外部の音はかなり軽減できます。
簡単な防音対策
本格的な防音工事は不要です。身近なもので十分な対策ができます。
クローゼットの中は衣類が天然の吸音材になるので、実は録音スポットとしてかなり優秀です。布団や毛布でスマホの周囲を覆えば簡易的な防音ブースにもなります。大きめの段ボール箱の内側にタオルを貼り付けるだけでも簡易防音ボックスが作れるので、お金をかけたくない人は試してみてください。
マイクの位置と角度
スマホのマイク位置を把握し、音源との距離を調整するのが欠かせません。
マイクと音源の距離は5〜15cm程度が目安。近すぎると音が割れ、遠すぎると環境音が入ります。スマホは100均のスタンドでいいので必ず固定してください。手で持つと、指が擦れる音が意外と入ってしまうんですよね。録音前にテスト録音をして音量レベルを確認する癖もつけておきましょう。
編集のコツ
録音が終わったら、簡単な編集で仕上がりに差をつけましょう。
ノイズ除去
どんなに注意して録音しても、多少のノイズは入ってしまいます。スマホアプリのノイズリダクション機能を使うのが手っ取り早い方法です。コツとして、録音の最初に数秒間の無音を入れておくと、それがノイズ除去の基準になります。極端にノイズが多い部分は思い切ってカットしてしまいましょう。
ただし、ノイズリダクションをかけすぎると音が不自然に変質するデメリットもあるので、やりすぎには注意が必要です。
音量の調整
ASMRでは音量バランスが仕上がりを左右します。全体の音量をノーマライズ処理で均一に揃え、急に大きな音が入った部分は個別に音量を下げましょう。冒頭と末尾にフェードイン・フェードアウトを入れると、聴く側にとって自然で心地よい仕上がりになります。
不要部分のカット
録音中の咳払いや、長すぎる沈黙など、不要な部分をカットしましょう。ただし、ASMRでは「間」も大切な要素なので、切りすぎには注意が必要です。

人気のASMRジャンル紹介
初めてASMRを作るなら、人気ジャンルから挑戦するのが近道です。
タッピング
指先で物をトントンと叩く音です。木製のテーブル、プラスチックのケース、ガラスの瓶など、素材によって音が変わるのが魅力です。初心者でも始めやすく、特別な道具も不要です。
囁き声(ウィスパー)
小さな囁き声で話すASMRは、最も人気のあるジャンルの一つです。日常の出来事を語ったり、物語を読み聞かせたりするスタイルが定番です。シチュエーションボイスとの相性も抜群です。
咀嚼音(イーティング)
食べ物を食べる音を収録するジャンルです。フルーツ、お菓子、麺類など、食材によって異なる音の表情を楽しめます。
スライム・粘土
スライムをこねる音や、粘土を触る音は独特の心地よさがあります。視覚的にも楽しめるため、動画との相性が良いジャンルです。
ロールプレイ
美容師、医師、受付など、特定のシチュエーションを演じながらASMRを提供するスタイルです。演技力が求められますが、ファンが付きやすいジャンルでもあります。
環境音
雨の音、焚き火の音、川のせせらぎなど、自然の音を収録するジャンルです。作業用BGMや睡眠導入として人気があります。
ASMRを上達させるコツ
継続的に投稿する
上達の近道は、とにかく作品を作り続けることです。最初は完璧を求めず、まずは1本完成させて世に出してみましょう。筆者も最初の作品は正直ひどいクオリティでしたが、リスナーからの反応が次の作品を作るモチベーションになりました。投稿先としてはcoemeeのような音声コミュニティを使うと、ASMR好きのリスナーからフィードバックがもらいやすいです。
他のクリエイターの作品を研究する
人気のASMRクリエイターの作品を聴いて、どんな音を使っているか、マイクとの距離感はどのくらいか、編集の仕方(BGMの有無やトランジション)はどうか、といった視点で分析してみてください。サムネイルやタイトルの付け方にも学べることが多いです。
自分だけのスタイルを見つける
最初は人気クリエイターを参考にしつつ、だんだん自分らしいスタイルを確立していきましょう。万能なジャンルというものは存在しないので、自分が「作っていて楽しい」と思えるものを突き詰めていくのが、結局は一番続きやすいです。独自の路線を持つクリエイターは根強いファンが付きやすい傾向があります。
まとめ
- スマホ1台で始められる
- 高価な機材がなくても、録音環境の工夫次第で十分なクオリティが出せる
- 編集で仕上がりに差がつく
- ノイズ除去と音量調整だけでも、聴き心地がまるで変わる
- 作って出すことが上達の最短ルート
- 完璧を目指すより、まず1本完成させて反応をもらうのが一番